本日の詩

詩なり詩なり

2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

090430/23:49

さて 野ッ原に 羊が一匹 向こうは 山ばかり こちらは 谷ばかり 同じところを ぐるぐる 回って ばかり いやがる のりこえるのも とびこえるのも こわがって いやがる もくもくと 獣のにおい ------------ フロクof ブログ 今月もなんとか月末まで生き延びまし…

090429/22:53

つつじさん つつじさん わたくし 存じませんでした いつのまにか そんなにも 咲いてらっしゃった お寺のよこを とおらなかったら ついに今年は あなたのお花に お目にかかれなかったでしょう ついつい 文字を見たり 通帳を見たり よくわからない電話を買った…

090428/23:53

電車に乗ってどこかに出かける 周りは知らない人ばかり 商店を通ってどこかに出かける 周りは知らない人ばかり ビルに入って階段をのぼる 周りは知らない人ばかり 販売機の前で硬貨を出し 買うのは3日つづけてココア

090427/23:57

要塞の中で 灰色のスーツと 紺色のスーツが 肩越しに 約束を交わした 反故にされた約束は 蝶になって ひらひらと 谷間に向かって 飛んでいった それからそれの 強靭な美しさを 誰も知らない

090426/23:05

五月は危険な季節 そよそよ団と びゅうびゅう団が 五月をめぐって 争っている そよそよ団は そよそよ風を 五月の空に そよそよ吹かせたい びゅうびゅう団は びゅうびゅう風を 五月の空に びゅうびゅう吹かせたい 雀たちの噂は 屋根から屋根へ 町から町へ ゴ…

090425/22:47

しずく しずく 君の瞳から しずくがみんな こぼれおちて 僕のおうちは はんとうめいに しろくてかたい おさとうに おおわれて 氷でできた おうちのように なってしまった ああ 僕は 知らなかったな 君のなみだは こぼれおちたら 真珠になると おもってた あ…

090424/23:57

型紙に 未来とやらを 描きましょう すべからくこれ 失うものであるので 二人の息子や 三億の土地や 七つの命というものは 鉛筆を 取り出して

090423/23:44

そんなふうに君がときどき めまいがするほど不安になるのは めぐるめぐる星たちのなかで この星も宙に浮いてぐるぐる ぐるぐる回っているからなんじゃないかな そんなふうにぐるぐる回られた日には 明日の課題のことなんか考えずに 犬の散歩だってできやしな…

090422/23:19

In the battlefield A hare came up to wield To wield its favourite hollow Such an easygoing fellow That I have ever met, I saw obviously Him nosing the first summer wind Which no one had embraced yet in mind In the field full of mines and l…

090421/23:44(追加)

そして泣きながらたちなおる 清涼な空気、まだ名前のない 成熟を充たす、かおりのいい空気を そよそよと鼻からおくりこんでほしいのだ

094021/23:39

季節はみどり みどりのミントの季節 みどりのミントはみどりに萌えて みてる間にもっともっとみどりになろうとする ここにある情熱はここを出て行こうとして 突き破ろうとして飛び出そうとして けっしてここにはとどまってくれない そしてミントの葉はギザギ…

090420/23:47

手術衣を着たまま 奇妙なすべり台を すべりおりていく その間に犬は匂いを たどって 町の外れがどこかを 初めて知るだろう その間に遊んでいた 子どもたちは 居なくなった かれらは 帰るところを ひとつは持っているのだ 裸足のままで 君らを追いかけて 町の…

090419/22:41

僕は悲しんだことがないのです 悲しむということがないのです あなたは僕を人でなしだという 僕が悲しみを知らないから 僕が人でないのなら 僕はいったいなんでしょう ああ悲しみを僕は知らない 僕はみんなに聞いたのです どんなときに悲しいのかと みんな答…

090418/22:27

うわ うわわ うわわ うわわわ 些細な些事にかまけていたら 雑多な雑事にかまけていたら 仕方なく仕事にかまけていたら どうしようもなく家事にかまけていたら これはこれは おぼっちゃんがお兄ちゃんに! おじょうちゃんがお姉ちゃんに! 衝撃的に お兄ちゃ…

090417/23:17

松ぼっくりが松の実飛ばして 松の実飛んで行った おれはあっちに行くよ じゃあな 松の実は潮の中に おれはあっちに行くよ さよなら 松の実は岩の上に おれはあっちに行くよ あばよ 松の実は砂の中に おれはあっちに行くよ さらば 松の実は崖っぷちに おれは…

090416/23:28

雷鳴が消え残る うすぐらい耳の穴 小さな稲妻が来た またもう一つ来た 目の近くに走る光 ハチミツの川を泳いでいた 体中を光らせ芝生に 横たわると蟻が 花の名前が燃え残る 無いと欲しい あると要らない 不可能な距離をひとつ ピアッシングした 右耳の穴に入…

090415/22:27

落書きだらけの 高架下で 石鹸の いい匂いがする もうあと少し 待ってみましょう 空からシャボンが 零れるのを

090414/21:56

おっかない顔で月が見ている 白々しい顔で月が見ている レイニイ・デイ、だけど ひび割れたおまえの背中から 弱々しく脈打つ堕落した心臓を 月が冴えた光で冷たく照らすのが見える

090413/23:48

Can you see the object Flying with the wings of vanity In the sky at dawn Being afraid of exposure Of decayed ugly cracks To sheer serenity in the morning That's your soul, you know the soul that you failed To abandon in the dark yesterday

090412/23:37

君の絵を描くために わたしは生まれた 高慢な自信の無さを 描くために わたしは生まれた 描いた線に似せるために 君の輪郭を 削ることのありませんように 君の自然を 乱すことのありませんように 星々がため息で 手に入ると思えるだろうか 君は誰を描くために…

090412/23:28

ダマスクローズは螺旋を描く 君は琥珀色の光の中で 無伴奏チェロを聴く 八月の鯨は塁に出る ホームベースに捕手の影が落ちる 飛び込んだ君は砂を口に含む 立ち上がるグランドには 花びらを飛ばす乾いた風が吹く 君の額に潮吹きが飛び散る 目覚めるとコンサー…

090410/23:29(,じゃ、そういうことで)

カミツレの足並みを真似て すこやかな夜の哀しみの中で 二進法は踊る 芝生の猫の通りみち 彼は遮って昼寝する 吹き渡る風を感じるため 狭いアパートの部屋の中で 彼の母親はかつて一人の女だった 明滅する十六進法に向かった 彼のアラビア数字は彼の 不在を…

090409/23:44

朝早く庭に出て くちなしの枝を 切ってしまおう 暗喩はいけない作法だから カップラーメンでも食べて 横になってください 今日もなにもしませんでした 伸びすぎて蒼穹を 覆ってしまう前に あのむせ返る香りで 発情してしまう前にね あのむせ返る香りで 発酵…

090408/23:46

山の上の森も雪解けが近くなって 古木のうろから獣が出てくるんだ 君の見たことのない獣 バックヤードの小さな手洗い場の 小さな蛇口で手を洗い 強い洗剤で荒れた指先がひりひりと ひりひりと痛む春の終わり 夜に目を光らせて そいつはうろから出てゆくのだ …

090407/23:00

ならどうすればいいんです 紫の褥の上に寝かされて ならどうすればいいんです 緑に萌える野の昼間 どうしたってよろしゅう 春の闇の中をパタパタと 銀の鱗紛おかまいなしに 蛾は少女の腹の上を 飛んでゆく飛んでゆく 言いながら言いながら どうしたってよろ…

090406/23:43

というわけには いかなかったんだ あのままでいる というわけには 励ましつづける 資格なんてなかったんだ まるでそんなもの なかったんだ 君の親しい人は 尊敬という 言葉を用いた それはきっと さっきテレビで見た 手術で子どもの命を救う 医者みたいな人…

090405/23:17

日曜の午後 偶然に偶然を重ねて 生きる人々は この雑踏の中で出会った お互いを 一瞬一瞬で確かめて わずかな差異を認め 互いにかすかな印象を 交換しながら すれ違ってゆく 人ごとにあげられるだけの 祝福と称賛をあげたいと思う 若い紫陽花の葉の形をした …

090404/23:46

他に何もすることがなかったので たいしてしたくもなかったけれど 他に何も思いつかなかったので 彼女を誘って車に乗った 他に何もすることがなかったので たいしてしたくもなかったけれど 他に何も思いつかなかったので 郊外の映画館に行った 他に何も観る…

090403/20:39

西の風が今日止んだ 風の吹きはじめたところから 南の風が明日吹く 風の吹きはじめるところから 西の風が今日止んだ 風の吹きはじめたところから 南の風が明日吹く 風の吹きはじめるところから 風の吹きはじめるところから 風の吹きはじめるところから

090402/22:59(一種のつづき?)

折れたマッチの中で、いちばん よく燃えるやつを探し出すんだ 箱には見知らぬ都市の 見知らぬ建物が 逆光で 印刷されてる 大きな人たちは 建物の二階に集まり これからその荷物を どうするか話し合っている 空になった一階には 小さな人たちが入り込んで 並…