本日の詩

詩なり詩なり

090402/22:59(一種のつづき?)

折れたマッチの中で、いちばん
よく燃えるやつを探し出すんだ

箱には見知らぬ都市の
見知らぬ建物が
逆光で
印刷されてる

大きな人たちは
建物の二階に集まり
これからその荷物を
どうするか話し合っている

空になった一階には
小さな人たちが入り込んで
並べられたパンや菓子から
好きなものを勝手に
手に取り始めた
彼らの顔はみな薄汚れている
都市の芥と
深刻な状況のために
彼らの手はみな薄汚れている
袋の中に手を突っ込んで
スナック菓子を詰め込んでいる
当分食べられそうにもない
初めての味を味わう余裕もなく

大きな人たちは
誰もそれがくだらない
話し合いだと知っている
だが誰もそれをやめることができない
はじめた理由がはっきりしないので
それに反対する理由も
出てこないのだ
誰もが言いたいことを言うだけで
誰も荷物を引き取ろうとしない

結局その荷物は一階に下ろされるだろう
それは音もなく毒を撒き散らすだろう
それは大きな人たちができるだけ
できるだけ遠くに逃げているあいだ
小さな人たちを柔らかく倒すだろう
柔らかい髪はいつまでも床に張り付くだろう

手の中で
マッチが
しゅん、と炎を上げて
マッチ箱に印刷された
逆光の都市を照らし出すこのときに