本日の詩

詩なり詩なり

2019-01-01から1年間の記事一覧

20191215

それからすっかりひとりになって 夕焼けの小径を夕暮れまで歩く まわりには誰もいなくて おそろしいけれど ここを行く明けない夜はないというのは 回りくどい嘘で ここからはもう ひたすらに 闇ばかり

20190708

そういうわけで小魚たちは なななーと歌いながら 銀色の針のからだを ぴんぴん流れに 突き刺して 流れを 波に 縫 止める よし今度はあっちに行ってみようぜ

20190707

うのつくものを 丑の日に 食べると いいんですってんころりん うなぎ うし うま うさぎ うわぎ(うわき?) うのはな うめぼし うつのみやぎょうざ ういろう うき草 うらわかき乙女 うれい うんめい うつくしい人 あるいは うわばみ それでは 大暑に入道雲の下…

20190430

赤いものは 赤い味 口ではちきれて満ちる いちご トマト クランベリー さくらんぼ 赤のすぐり 紫がかったすもも 黄のものは 黄色によっては 黄色の味かみしめると光る マンゴー かぼちゃ あんず でも レモンや パイナップルは 白い味 緑のものは 緑の味する …

20190428

うほほ やすみ やすみ 夜ふかして 悪いことする 日曜日 誰も 知らない 海では鯨も泳いでる

20190423

へへへ 黄鶲が焚き火に見えた 午後3時 道路の拡幅工事も 終わり 4月の下旬は 5月の始まり

20190422

生まれるといえば 死に感染するというわけで ところが不幸なできごとを 引き寄せないかぎり ほとんどめったに 早々と発症したりしない それをいいことに すはまを渋茶とゆっくり 嗜んだり 今年こそは手製の 切干大根を作ろうと 意気込んだり 人によっては お…

20190415

ぬばたまの黒き頭の コーヒーとこれしきの 数式ついに腹に堪えかねて 鍋敷の下敷きになる 風呂敷にピロシキ包み 人目ひそんで川べりをゆく 蝙蝠の心とは裏腹に 金色の光あふるる 敷島のくまなく春にくまなく春に ああもぐもぐうれしき春に なりにけるかも

20190403

まりる 誰にも見つからないように 隠れておいで このはこの中に 大丈夫 君のことは 忘れない ときどき来て 必要なものはあげるから まりる そこに君が 隠しておくのが すべての悪事を 免罪する もちろん最大の悪事は 君をそこに 閉じ込めておくこと 大丈夫 …

20190402

肝臓をいっぱい集めるために たくさんの人を狩らなきゃならなかった それでも頑張りましたんですだから 褒めてほしくてしかたがない へとへとになりながらだってそれを ぎゅっとつめこんだ缶詰にして 足のわりいおじいちゃんに 届けたかったから 本当の血の…

20190401

土曜日のカレン 花束をかかえて 髪が肩で揺れてる チューリップは 朝焼けのピンク 広い交差点の 銀行の前で野良犬が しきりに路面の 匂いかいでる 橋の上で彼は それを見ている 風に浮き立つ町の 空気 自転車で横を通りすぎた カーキのパーカの 少年の魂は …

20190331

金曜の夜は もう少し働いてもいいけど キリをつけて電車に 乗ったんだ 土日には 解き放たれた時間がある でも実際には 好きでもないやつに会って なんかおごってみたり ちょっと嬉がらすような事言ったり だって怠惰の果てで不穏すら 放棄したから 好きでも…

20190227ごめん今日の詩はひどいよ

僕が君を呼び 君がポケモンを呼ぶ ポケモンが悪魔を呼び 悪魔が出前を呼び 出前が財布を呼び 財布がレシートを呼び レシートが昆布を呼び 昆布がご祝儀を呼び ご祝儀がご苦労様を呼び ご苦労様が座布団を呼び 座布団がお茶を呼ぶ お茶が松露を呼び 松露が松…

20190222

どうして私は ぶらんこに乗れると思っていたのだろう どうして私は 手を伸ばせば 星に手が届くと思っていたのだろう 悪い夜には悪い闇がついていて 君はいつまでも悪あがきをする どうして私は 橋から落ちると思っていたのだろう どうして私は手を伸ばしても…

20190219

するすると鯉は朱を 後ろに引きながら 逃げてみんなのいる 柳の下のどじょう池の 濁った水に潜り込んだ 僕もあんな風に 逃避と突進の軌跡を 誰かの残像に残してみたい 妄想を強く噛んだら 心の奥歯が欠けて 小ねずみが現れた 失くしたと思っていた 細く長く…

20190217

こんにちは ここに来るなら この世かぎり 今夜かぎり 明日 あそこに行くなら あの世かぎり あなたかぎり これがプログラムです プログラムはひとり祭りを 実行中です プログラムは未完了です 両親はすでに感無量です 彼らは常に無力です 今日かぎり 来てもい…

20190216

冬はまもなく終わり 春がもうすぐ来る 風も来る 花も来る 桜も来る 山も来る 野原も来る 京都も来る 景色が来る 狸も来る 新しいひとも来る 古いひともまだ来る また来る 鶇も来る 雲雀も来る 燕も来る 鵯はやっぱり来る 冬の間見なかった雀も来る 雀の家族…

20190214

窓を開けて星空の夜風に 今日の顔を脱いで干したら 魂の方は薄くなったところを ちぎらないようにそっと 電子レンジに入れてチンしよう まだ7年と7ヶ月しか経っていない 最後にストレートな物言いをしてから 朝まで何者でもなく 影は昨日と埃とより良きティ…

190205

コッドプレイスにようこそ 松明をたいて燃えさかる ダウンジャケットの男たちを かきわけもっと焚き火に 冷えたからだをあっためな そして風貌が火に照らされ 人々の胸に不愉快な虚無感が 訪れるまだでそこに居てくれ 海の中は冷たかったろう 調声の途絶えた…

20190204

君の髪が不吉なほど黒いので 不安になってエレベーターの 扉に桃色の鼓動をたたく 大地から遠く離れたところで けたたましい啓示、あるいは 神々の愛を交わしあうあえぎに ビートを与えるために 艶やかな鎖で俺の首に輪っかをかけ くちなしの香りで編んだid …

20190129フライングだにゃーふざけすぎとる

なんで なんで なんで だって だって だって そっか そっか そっか だから だから だから だよな だよね なのだ

20190128

感涙に咽ぶ 金魚は中央揃えで 全体利益経常利益天体胃液の 中ほどに ひらをひれひれ waving また会う日までこんにちは 子供の金魚は近視で禁止 おとなは近所でおとなの出禁 一家で鉢ごと らりるれろ 純金仕立ての純利益 足りない分は親戚に 借りたお水は改竄…

20190127

あれ、あの、 1号、みかん1号は寒空に 頬を山吹色に染めて出ていった まもなくもろもろの (ビール、おかき、突破口など) こたつ用品をぶらさげて おでこに2、3インフルエンザウィールスなどつけながら 上がりかまちで 承認の可否は理事会における 多数決ある…

20190109

それから電車の中で となりに座った子が 冬の子でちょっとびっくりした 見回すとその車両には 風の子と雪の子も乗っていて ずいぶんな偶然だな みんな小さくかたかた 震えて寒そうだなって 独り言つぶやいたら 冬の子がこっち見て 冬の子だから仕方ないみた…

20190106

君虫嫌いでしょ そんなら黙ってる わけにはいかない 僕は頭の中にクリプトセスを 100匹くらい飼っていて 暗い頭蓋骨の中で 羽ばたきが聞こえるのさ 夜になると 僕の耳から飛び出し 街にくり出し 光を求めて 死ぬまで飛びまわる 朝の光は いつだって 間に合わ…

20190105

まだわれわれは われたまま割れと割れの 片割れずつ べたべたした 日本語を話していた オッサンが もし俺が仮にカリフォルニアに 行ってしまったら? というので 狩にカリフォルニアに行くんですか とかそもそももしと仮にと 両方必要ですかとか にとにのあ…

20190103

君にもらったラムネは 噛みちがえた最後のかけらの 味した あそこに見えてた 夜の惑星 現実を咀嚼するには 華奢すぎるんだから そういうことにしてしまって 稀に見る色に光る