本日の詩

詩なり詩なり

2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

20151001

駅前はぐるりと 回って 何台かのタクシーが とまったり動いたり 時々バスだいぶ ぶんぶん言って ぷしゅ、しーととまって 四角い、そんな ロータリーの真ん中には 一本の木 生まれた時の ことは覚えていない ここに 連れて来られてから ずっと 長い夢を見てい…

20150930

カシュカシュ カシュカシュ 薄暗い 部屋の隅で 孤独が 鳴いてら 大きな 画面を 青白く 光らせて 唾吐いたって 片隅から いなく なりは しない 薄汚い 魂の隅で 孤独が 鳴いてら カシュカシュ カシュカシュ

20150929

ああそうかい ああうそかい どうもこの 秋風って やつが いけないんだ 駄目なんだ 涼しくってさ 馬鹿なんだ 涙目に 月の光が 全然 足りなくって 蹴とばす ものが なくってさ 地面 蹴ってる

20150928

未来は今どんなものか わからないから 変えられないけど 過去は変えられるんだ そもそもそれがあったか どうかすら定かでないし 定かなら定かであるほど どうにでもなるのさ

20150927

軽く甘く 柔らかな 血の匂いが 大好きなんだ 豊潤にあらわに 満ちて 鼻腔に刺さる ふくよかな 生あるいは死の匂い

20150924

彼女は甘い すごく甘い フルーツキャンディの 匂いがするんだ 弟はそれを 腐った無花果の 匂いだと言うけど 奴はまともな 無花果だってまだ 一度も食べたことがないんだ ぐずぐずに甘い フルーツキャンディの 匂いが鼻腔から 脳髄を貫いて 走り出して 死んで…

20150923

そよそよ さわさわ 秋の日に昼 夏の光が たまさかよみがえり ぎらぎらした白さを 失ってなお熱く訴える 私を忘れないで下さい かりにもついこの間まで 時を統べる王として 命あるもの冷えた血にも 駆けだす力を与えようと 君臨してきたもの 私を忘れないとあ…

20150920

丸い水色の中に 音楽が聞こえたので 飛び込んでいった その水色になるために 聞こえないときもずっと 旋律は奏でられている 水色はもう水色に見えない

20150919そういえば

世界中から 美しい表現を 拾い集め 選りすぐって そう簡単に 詩にしない!

20150919

ありがとって言ったら うが足りないって 言われました う、う、う、う うりうらうらら う、う、う、う うららかうとうと う、う、う、う うみうそうつうみ うかんでうかべて うきうきうきうき

20150917

おはよって言ったら うが足りないって 言われました う、う、う、う うかつな うなぎが うわぎに うかんで う、う、う、う うきわを うきみに うさぎを うらぎり う、う、う、う うらしま うらやみ うみかぜ うらんで う、う、う、う う、う、う、う

20150915

ある一定の 風景があるということに 耐えられないから 白い壁で四方を取り囲み どんな場所も 思い描くことが できるようになった どこにも行かず ひどく自由になった 僕の心

20150914

今日、風を取ったよ 手の中に握ってつかまえた それからひらいた 手のひらから風を逃がした 手の中に秋 風は生きて行ってしまった 他の風と一緒になって ここにいたのに もういなくなってしまった またつかまえてまた放す 一番つかまえたいのを つかまえるま…

20150909

町に灯がともる 夜がようやく 姿をあらわしはじめる こちらから見えていても 向こうから見えないことがある こちらから見えなくても 向こうが見ていることがあって かたちづくられてゆく それぞれの輪郭