本日の詩

詩なり詩なり

2024-01-01から1年間の記事一覧

24316

見つかりません 夜だから 気が晴れません 春だから 悲しみません 嘘だから 欲しがりません 朝までは

230313

かみくだく ラムネの色の 春の街 ひとり気ままに 風の真似

240310

悲しみでこの朝を 満たそうとしないで 仮定してみるのは どうだろう はじめからそんなことは なかったと 今日が始まりだとして 記憶は鬼気迫る 夢のように鮮やかだけれども

240308

彼女は海 それから柱 ときどき猫 たまに砂

240303

今日は黄色い日 頭に黄色い花が咲いていたから 明日は赤い日 君が赤いTシャツを着てくる日だから ドラムスティック持って あさっては青い日 夕方が青いから しあさっては白い日 朝から街が白くて あとはずっと 黒い日 上から何で塗りつぶせるか ぶどうのサイ…

240225

こごみ早蕨春若布 蓬たけのこ蛍烏賊 蛤菜の花フキ三つ葉 苺たらの芽桜えび 畑に上る山の朝 自転車下る潮の風

240224

川面に風が挨拶すると 水面に光るさざ波の 小粒がきらきら 生まれます 今年はどんな春でしょう 街路のコブシもモクレンも 蕾はとうに 知ってます

240223

私たちが数えられていなかったとき 私たちが数ではなかったとき 私たちにまだ番号が付与されていなかったとき 私たちは何だったろうか 私たちが免許や資格や学籍や社員という地位や年金や健康保険番号や国籍や県民や市民という名の下に管理されていなかった…

240214

うーんにゃ そうでもない また雪がふらんように 電話しといて 雷さんの番号しか知らんの ならええわ 雷さんに伝えてもらい もう 春ってことでええやん あかんの 2月やけど 雪 君は冷たすぎて悲しなる

240212

あらゆる情報が 手の中にあって 調べれば 得られる気がするのに 本当に欲しいものは 決して手に入らない 自分は何をしたいのか 自分は何をすればよいのか おおまかな ラインに沿って 退屈というものに 窒息し酸欠のまま 日々ぶつかってくる 無意味さの濃縮さ…

240207

心の中に小さなつるぎがあって 時々取り出すとちくちくとおのれを苛む

240206

長くのびた影の先に 手のひらを落として 石の形に光をまとめ 緑の翳りの中に投げ やがて訪れる夕闇まで ほんの少し ほんの少しだけ 放恣な夢から醒めて とりとめのない 作業に戻って行く 時のベンチで 頬に風を感じて夕暮れの中で ただ座っていた 春の日を思…

240205

はだしで水のへりをあるいていく 水が触れないように 長く弧を描いた砂の浜 足には小さな指が五本いて それぞれに春を感じようとする 足首のあたりで折った 白のジーンズは光を受け ハサミで値札を切ったときのことを 思い出す この弧は長くて 水はどこまで…

240128

そして橋の上に立つと風が 髪を飛ばしはじめる 髪は頭に根を下ろしたままどうにかして 風に巻き込まれようとする 風は私の中心も飛ばそうとする 心臓だの肺だのまとめて まるで不要なものとばかりに どこに? 私はもうありとあらゆる川に行ける どの橋の上に…