本日の詩

詩なり詩なり

2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

230925

太陽はまだ白い顔して 光をいっぱい打ちつけている 風はいい感じに強くなって すらすらとした光の中を 小魚が水流を巻きとるように どこ吹く風に吹いている 空が手ぐすねひいて 掴みどころのない 秋の夕暮れに 風邪や物思いや 知らないところにあった しめや…

230924

右のぽっけにどんぐりみっつ 左のぽっけにどんぐりいつつ 転んで涙がこぼれても ぽっけのなかにはどんぐりやっつ

230923

もし靴ひもが蜂だったら そんなに遠くへ行かないで 迷子のふりして さぼるけどな 今日のところは もし蜂が棚だったら そんなに約束はしないで 旅の途中で 迷子のふりして 泣くけどな もし棚が今日だったら そんなに遊ばないで 薬を飲んだら 迷子のふりして …

230922

それからずっと欲しかった刀で 空のはじっこを削ぎ落として 涼しい秋の公園の 楽しい駆け足の靴に隠す これが前からの望み もう良くならないとわかっているから ずっと欲しかった刀で なだらかな肩のはじっこを どこから来たのか忘れて つぶつぶしている砂っ…

230920

がりがりとかじるんだ ひとんちの 庭に咲いたサルビアのおしべと めしべ 植木鉢の傍らにある 軽石 躊躇なく行け 中途半端に破れた 網戸 鍵の壊れた物置の とびら 薄暗がりの不安 かじれ かじれ がりがりと 噛み砕け 寝転んだ床の埃 隙間に逃げ込む野ねずみ …

230917

あんなにも苦しくて その先にはなにもないように見えた なにもかもが手探りで まいにちの望みがまいにち絶たれているように 思えた 今のことにもこれからのことにも これまでのことにも すっかりと疲れきって 昨日までの絶望の連続に 今日の絶望が積み重なる…