2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧
病よりも 悪よりも 死よりも なお悪いもの お前の名 を何と言おう お前に蝕まれるのを 何よりも恐れるもの 髪の中に羽が透けた 薄青い蝶を隠して ごきぶりに埋もれた 貧しい木の階段の下 新聞をたたんで ひからびた手首には 真珠の幻 やわらかな思い出と あ…
夜がまた来た 大好きな夜が 暗さと 静けさと 朝の 空気をすでに はらんだ 夜が来た 夜風よ 君の匂いは 明日に対するわたしの 傲慢さを どれほどやわらげて くれることか 闇の重さよ 孤独の代名詞よ 君の圧倒的な稀有 かけがえのなさが どれほどなぐさめて く…
やあ秋 君を感じてる 朝の空気に 虫の鳴き声に 風に 空の色に お臍に 踵のかさかさしたところに カルメンの再読に そうだ 今度コートを着て回る コーヒーハウスに行こう
町外れに砂漠がある 何もない砂以外には だから誰も来ない なのに店があって さびた看板がかかって いる薄暗い店では何を 出す気があるのか 知らないきっと客など期待 していないし私もなぜ そこにたどり着いたのか わからない、いや他に 休めそうなところが…
秋の夜の 私は何か する人ぞ ため息の ちょい やさぐれて おつむのお皿で 霧合成や せむと 生まれけむ
ましてやそよ風ちゃんが 寝てしまったながらも野分 親分はまだシマを立ち去りがたく 朝めし前にひとっふきつら ふきつらねてくれたおかげで りんごは地面をのたうちまわり 小さな子どもは木から盗まなくても よくなった もっと小さな子どもはぶどうを拾った …
小あじどもの中に カニャカルがまじっていて 人間どもに食べられそうに なっていたというのは なかなかに語りつがれる 一件 あいつらしい最期と言えば 最期だがふらふら泳ぎまわった 挙句、この世でもっとも始末の 悪い奴らの姑息な網にて塵埃に 満ちた陸に…
秋の日の 日のくれないの フルスロットル 真芋里芋 小芋親芋だらだら芋 撃ち抜いてやや ぬめる やるせない ミニマムマキシマムハート
いいのいいの 詩なんだから 詩らないで 詩まぐれに 詩て詩まったって 遠慮詩ないで 詩の詩むまで 詩っかり詩て 詩くじったり 詩ても気に 詩ないで! 気に詩んな!
松の木 松の実 松の耳 月の木 月の夜 月の耳 波に木 に気に 記に期 に来て 秋に飽 き泣き 空き無 き鳴き 鳴き虫 すず虫 ごま虫 まめ虫 かめ虫 へび虫 うさう さうさ 虫うさ ぎ来て 来て松 よいこ 宵よい 子お月 見きみ この木 の実着 のみ生 のまま あれま …
おい田中お前の書いた請求書の数字が 全然違うせいでおれが取引先に どれほど怒られたことかこのへそを 見ろへそのゴマを取れ悪いと思うなら おい田中お前の書いた見積書の数字が 全然違うせいでおれが取引先に どれほど叱られたことか去年から 何回間違えれ…
雨が君に降って幸福かどうかを 考えてみる必要がある件 雨は君のしょぼっくれた肩に ぱしぱし落っこちたいなんて 木洩れ日ほどにも希望してない かもしれない 雨が木洩れ日に嫉妬してるかって それは別件 君が雨が降って幸福かどうかは ただ感じれば良い件 …
今日ぼくを松葉杖が訪ねて来て どうもその節はお世話になりました と頭をさげたぼくはそんなこと全然 予想していなかったしあんまり頭が ぼさぼさだったし、昨日風呂に入らず ソファで寝てしまったまま、起き抜けで 冷蔵庫には玉子しか入ってない まさか松葉…