本日の詩

詩なり詩なり

20140910あじにふぐ

あじどもの中に
カニャカルがまじっていて
人間どもに食べられそうに
なっていたというのは
なかなかに語りつがれる
一件
あいつらしい最期と言えば
最期だがふらふら泳ぎまわった
挙句、この世でもっとも始末の
悪い奴らの姑息な網にて塵埃に
満ちた陸に歯向かう間なく
引き上げられ雑魚中の雑魚、鯵
なんぞとともにまとめて
売られかかるとは恥も千年
ましてや彼奴らに有毒なふぐと
して報じられるとは本人
死んでも死にきれないだろうか
とうとう死んで名を、と言っても
有毒物呼ばわりのふぐ扱いだが、
残して新聞沙汰にもなった、
えさをとるのも
おっくうがって
小枝くわえて
ハンノキの
周りをまわってたカニャカルも
いっそ毒を吐いてみたいと
毒づいてたのだけは
こんな風に叶えたもんだと
西の方にいったのは
あれ、もう10年は前だったが
あの頃はまだ、この辺は
スーパーマーケットや
ショッピングモールなんて
なかったし、
あじももうちょっと賢い
生き物だったが