本日の詩

詩なり詩なり

240303

今日は黄色い日

頭に黄色い花が咲いていたから

明日は赤い日

君が赤いTシャツを着てくる日だから

ドラムスティック持って

あさっては青い日

夕方が青いから

しあさっては白い日

朝から街が白くて

あとはずっと

黒い日

上から何で塗りつぶせるか

ぶどうのサイダー飲みながら

考える潮の側で

240223

私たちが数えられていなかったとき

私たちが数ではなかったとき

私たちにまだ番号が付与されていなかったとき

私たちは何だったろうか

私たちが免許や資格や学籍や社員という地位や年金や健康保険番号や国籍や県民や市民という名の下に管理されていなかったとき

私たちは何ものでもなかったろうか

私たちが成績や給料や収入や売上や所得や体重や身長や血圧という数字を知らなかったとき

私たちは誰だったろうか

私たちが4年や6年や3年の義務教育や3%や5%や8%の納税を行わなかったとき

私たちは何もしていなかっただろうか

貯金もなく金利もなく為替もなく額面のついた金属や紙がなかったとき

私たちは生きた心地がしなかったのだろうか

七五三もなく誕生日もなく暦もなく

成人の数字もなく定年の数字もなく暦もなく

人口の総数も分からなかったとき

死んだら生命保険の金額が

殺されたら賠償金の金額が

わからなかったとき

自分の年も知らず

平均余命も知らなかったとき

私たちは生きていなかったのだろうか

 

私たちが数でなかったとき

私たちが野放しで

まったく管理されず

不可算な存在であったとき

曖昧で不確かで予測不能

複雑で

その辺をうろうろ裸で裸足で歩いて

捕まえたり捕まえられたりしていたとき

 

240214

うーんにゃ

そうでもない

また雪がふらんように

電話しといて

雷さんの番号しか知らんの

ならええわ

雷さんに伝えてもらい

もう

春ってことでええやん

あかんの

2月やけど

君は冷たすぎて悲しなる

240212

あらゆる情報が

手の中にあって

調べれば

得られる気がするのに

本当に欲しいものは

決して手に入らない

 

自分は何をしたいのか

自分は何をすればよいのか

 

おおまかな

ラインに沿って

退屈というものに

窒息し酸欠のまま

日々ぶつかってくる

無意味さの濃縮された

作業をこなしながら

 

仮死状態で

いつか来る本物の死を待つか

 

何もない

白紙に

目が眩むような

恐怖を覚え

一歩踏み出すたびに

途方もない数の捨てた選択肢に

ほぼ気を失いながら

それでも前に進むと信じて

同じところをぐるぐる回りつづけるのか

 

その真ん中の頃合いはなく

どちらも同じことなのだから

占いも

宗教も

カウンセラーも

コンサルタント

親も

子も

連れ合いも

親友も

この恐ろしい孤独から

引きずり出すことは

できない

 

それほどまでに自由

飛べ

落ちるために

飛ばなくても

お前は落ちるだろう

落ちたところからまた

飛ぼうとして

 

もがきながら

舞い散る雪のように

深い地獄の底に

落ちてゆくのだろう