あらゆる情報が
手の中にあって
調べれば
得られる気がするのに
本当に欲しいものは
決して手に入らない
自分は何をしたいのか
自分は何をすればよいのか
おおまかな
ラインに沿って
退屈というものに
窒息し酸欠のまま
日々ぶつかってくる
無意味さの濃縮された
作業をこなしながら
仮死状態で
いつか来る本物の死を待つか
何もない
白紙に
目が眩むような
恐怖を覚え
一歩踏み出すたびに
途方もない数の捨てた選択肢に
ほぼ気を失いながら
それでも前に進むと信じて
同じところをぐるぐる回りつづけるのか
その真ん中の頃合いはなく
どちらも同じことなのだから
占いも
宗教も
カウンセラーも
親も
子も
連れ合いも
親友も
この恐ろしい孤独から
引きずり出すことは
できない
それほどまでに自由
飛べ
落ちるために
飛ばなくても
お前は落ちるだろう
落ちたところからまた
飛ぼうとして
もがきながら
舞い散る雪のように
深い地獄の底に
落ちてゆくのだろう