本日の詩

詩なり詩なり

2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

090731/23:39/ari-nomi

大きな水たまりを踏みましたよ あなたは傘を忘れましたよ 電車が来ましたよ あなたは鳩を隠しましたよ みんなが来ましたよ 大きな罠を仕掛けましたよ あなたはいなくなりましたよ 靴はありました 水たまりの中にね

090730/23:59/ari-nomi

中野で乗り換えてNYに行く途中 だれもいない車内で 空腹に耐えかねて拙者高校生女子 若い頃はすごかったという ママの どうすごかったか知らない ママの 作った海苔弁の蓋を開ける ご飯にのっかった海苔が ふわりと浮いて 車両を流れて どこに行くの 海苔 …

090729/23:50/ari-nomi

順風満帆逆なで丸がまたベッドに入っていた 逆なで丸め主の居ないうちにころころまん丸 体をシーツに押しつけたに違いないベッドに 入ったとたんに髪は逆巻く稲妻でパジャマは 毛羽立ちちくちくし手足のうぶ毛は独立宣言 神経逆なで眠れないシナモンコーヒー…

090728/23:58/ari-nomi

7月の連絡網によると 8月は雪を降らせるらしい 「地球温暖化だって 騒いでるしそのくらい べつにいいんじゃない」(8月談) 3月4月5月が猛反発してる 「8月だけ勝手なことを していいということはない」(4月筋) 9月が言うには 「あいつはロマンチ…

090727/23:51/ari-nomi

きみがキンギョソウのブーケと猫まぜ声で 博士を誘惑している間 あたしはミジンコ粉砕機を ミジンコ粉砕機粉砕機で 粉砕しようとしていた 博士はきみの横顔にうっとりしている ふりをして、キンギョソウじゃなくて シュウカイドウよ、それ、と いかにも冷静…

090726/23:55/ari-nomi

この夏最初の夕立があった日だ カンカンカン カンカンカンカン 踏切が降りて、だから もうすぐ電車が来る カンカンカン カンカンカンカン 一匹の黒猫がどこから ともなく現れて改札を抜けた カンカンカン カンカンカン 無人駅の下草を踏みしめて 線路に出る…

090725/0044/ari-nomi

ぼくらは徹底的に柔らかい飴を叩いていた それを毎日叩けばカードにシールがもらえた 小さなシールは船の形をしていてぼくは そんな船を見たことがあるように思った 海のない土地に生まれ育ったのに カードにシールを集めればメダルが もらえた金色に光る大…

090724/0034/ari-nomi

空けてしまう日がここのところ多くてごめんなさい。夏が私を弱らせておりまして。 --------------------------------------------------------------------------------------------- 花火は夏のコントラクション、 あるいは永遠の?それとも むしろ華やかに…

090722/21:32/ari-nomi

ささやき一座のささやきさんが 寒天娘を呼び出して 夜道のドライブささやいた 星は満天 君は満点 寒天娘はつぶやいた 夜道を転々 わたしは寒天 ささやきさんたら調子に乗って 俺は運転 俺は何点 寒天娘はうつむいた 気分暗転 だいぶ減点 ささやきさんたら車…

090721/23:52/ari-nomi

本日もわたくしはまた大失敗を しでかしましていやはやその 大失態を演じまして社員中27名に主に 正確に申し上げますと27、358名に 多大なる迷惑をおかけいたしました 取引先の関係者を含めますと38名に 正確に申し上げますと37、624名に 多大…

090721/0041/ari-nomi

さみしいイルカはきのう エイと泳ぐ夢を見た さみしいイルカは太平洋の 小さな島国の小さな水族館の 小さな水槽でくらしているのに エイと地中海に行く夢を見た エイはイルカの目の前の水槽で 大きな体をひらひらさせて 雑魚たちを引き連れて泳いでる ひらひ…

090719/23:44/ari-nomi

過密喫茶へようこそ 過密喫茶は朝から過密 入店にも一苦労 出て行く人に押されながら 重いガラスのドアから入る 過密喫茶は注文も大変 壁のメニュウは人の頭で見えず 紙のメニュウは奥のテーブル そこまでたどり着くため この人々をかきわけて数分 メニュウ…

090717/23:52/ari-nomi

お風呂場にひそんでいた 小鬼のさかまく髪をひとふさ もらって渦巻く川に投げ入れた ぶくぶく泡がわきたつだけで べつだん何も起こらない お風呂場にひそんでいた 小鬼がいなくなっていた べつだん何も起こらなかったな

090716/23:57/ari-nomi

損害マチルダの話をしよう 損害マチルダが靴下を干したら カラスがみんな持っていって大損害 損害マチルダが帽子をかぶったら 橋の上で川面ををわたる風に飛ばされて大損害 損害マチルダが眼鏡をかけたら 角を曲がりざまに人にぶつかって大損害 損害マチルダ…

090715/23:55/ari-nomi

寝ぼけナマコは起きぬけ布団 自炊目指して一目参上 ネギをつかんだ冷蔵庫 つかんだつもりが凪だった 彼ったら彼ったら 凪をつかんでまな板へ まだまだネギと思ってる 凪をつかんでゆきひら鍋へ とたんにお湯は静かに凪いだ 豆腐の泳ぎも滑らかだ 味噌を入れ…

090714/23:55/ari-nomi

こんな暑い日には脳がゆだってしまう こんな暑い日にはぽちとーるにかぎる ぽちとーるでなにができるかっていうとね ぽちとーるでポチという名前の犬が取れます ぽちとーるでなにができるかっていうとね ぽちとーるでポチという名前の犬だけが取れます こん…

090713/23:57/ari-nomi

歩いている間に 革靴の靴底にすこしずつ 蜂蜜がたまってきて 地下鉄の駅で ベンチに座った わたしはすこしずつ 途方に暮れた

090712/23:57/ari-nomi

天気予報で明日は雨になるようだ 明日の天気がわかるって なんてすばらしいことだろう 明日は傘を持っていかなくちゃ 天気予報で明日は失敗するようだ 明日の失敗がわかるって なんてすばらしいことだろう 明日は丈夫な心を持っていかなくちゃ 持っていかな…

090711/23:56/ari-nomi

これだけで 足りるんですか って言われても わからないなあ まぶしくて それは夏の汗だもの そら もうひとがんばり って言われても わからないなあ めまいがして 気づいたら それは夏の朝だもの

090710/23:57/ari-nomi

わたしは片足なので みんながいじめます わたしは大人になったら この町を出るつもりです この町を出るときに 全員片足になるよう 毎日ふとんのなかで お祈りしています 悪魔に魂を売りたいけれど わたしの魂は駅前の 三角食堂にある キッコーマン醤油さしよ…

090709/23:55/ari-nomi

かんかん日照りのひでりんこ きんきん冷えたかき氷 ぐんぐん伸びる雲がある げんげん元気な夏の空 こんこん今夜は花火咲く 手元光りて闇を知る

090708/02:20/ari-nomi

今日国道102号の交差点で 三つ子の車が信号待ちしてた 田んぼの緑はますます緑 交差点の植え込みには 雑草がやたら伸びてる 三つ子の車はそろって茶色がかった クリーム色してライトは太陽に ぴかぴかまたたいたりして ほんとにそっくりだった ナンバープ…

090707/00:48/ari-nomi

某年某月某日そら豆が 鴨居の上に飛び上がった 遅きに失した感はあるが えんどう豆枝豆に次ぐ まめ史上三番目の快挙である 青豆たちの熱狂を小豆きんときは しごく冷静に受け止めており 当面は静観の構えを見せている ひよこ豆は非難の声明を発表した 鴨居に…

090705/23:51/ari-nomi

煉瓦の塀に指先を当てながら 柿の木坂をのぼりきると 柿の木が一本夕日を背に 立っている幹も枝もいつも いい具合に曲がっていて これを見るためにここに来ると いつだって夕日を背にしている 生まれたときのことはあいにく 覚えていませんいやそれどころか …

090705/23:59/ari-nomi

暑なのでいろいろな生き物が 歩道にはとかげが白い腹を見せて ひっくりかえっていました 敷石にはみみずがかりかりの ベーコンみたいになっていました 国道の交差点では手のひらより大きな蛙が うずくまっていました 線路ではヒトがおなかを出して 横たわっ…

090703/23:52/ari-nomi

苦しい展開になってきました お兄さんお姉さん 狐のお面をかぶっても あんたが狐だとみんなに ばれている夜道のきもだめし 帰ったら誰もいなくなっていました

090702/23:56/ari-nomi

わたしのまぶたは透明で 熱くなっても大丈夫 ガラスでできているから と思ったでしょそれはプラスチック 耐熱性のプラスチック 熱いお茶より紅茶より ウーロン茶みたいな涙を 流してこらえているの夏を かつてをかたやをいまやをましてやを

090701/23:58:ari-nomi

おばかなおつむをしとらせて 雨がフール