本日の詩

詩なり詩なり

090719/23:44/ari-nomi

過密喫茶へようこそ


過密喫茶は朝から過密
入店にも一苦労
出て行く人に押されながら
重いガラスのドアから入る


過密喫茶は注文も大変
壁のメニュウは人の頭で見えず
紙のメニュウは奥のテーブル
そこまでたどり着くため
この人々をかきわけて数分
メニュウを見ても店の人が
さがせない
人が多すぎて
だれでどこにいるのかも
はっきりしない


過密喫茶は待つのも大変
7,8の席は化石のような
老人に占められあと
1世紀は空きそうもない
他の客たちはみんな
立っているがぎゅうぎゅう
押されて心やすまるすきもない
いつまでたっても品は来ないが
勘定を済ませないと出るに出られない


過密喫茶は何を頼んでも
30分は待たされる
コーヒーが来たって
持っているのも一苦労
他の客にかけないよう
熱いマグカップを抱えて立ち往生
一口すすったときに後ろから押されて
自分の顔に熱いコーヒーを
ぶちまけないように


過密喫茶は出るのも大変
レジのあたりは一段と混んでる
注文はまだかと怒る客と
勘定を済ませたい客とで
押し合いへしあい
財布をすられないようにしながら
小銭を出すのも一苦労


過密喫茶は出てからも大変
茶店の前には黒山のひとだかり
そこをかきわけてなんとか
ぬけでるとまたすぐに
過密喫茶が恋しくなる


過密喫茶へようこそ
過密喫茶は君を待ってる


過密喫茶はこの国で唯一つの
茶店
あと20年経ったら民営化して
メニュウを3種類から5種類に
増やす予定