過密喫茶へようこそ
過密喫茶は朝から過密
入店にも一苦労
出て行く人に押されながら
重いガラスのドアから入る
過密喫茶は注文も大変
壁のメニュウは人の頭で見えず
紙のメニュウは奥のテーブル
そこまでたどり着くため
この人々をかきわけて数分
メニュウを見ても店の人が
さがせない
人が多すぎて
だれでどこにいるのかも
はっきりしない
過密喫茶は待つのも大変
7,8の席は化石のような
老人に占められあと
1世紀は空きそうもない
他の客たちはみんな
立っているがぎゅうぎゅう
押されて心やすまるすきもない
いつまでたっても品は来ないが
勘定を済ませないと出るに出られない
過密喫茶は何を頼んでも
30分は待たされる
コーヒーが来たって
持っているのも一苦労
他の客にかけないよう
熱いマグカップを抱えて立ち往生
一口すすったときに後ろから押されて
自分の顔に熱いコーヒーを
ぶちまけないように
過密喫茶は出るのも大変
レジのあたりは一段と混んでる
注文はまだかと怒る客と
勘定を済ませたい客とで
押し合いへしあい
財布をすられないようにしながら
小銭を出すのも一苦労
過密喫茶は出てからも大変
喫茶店の前には黒山のひとだかり
そこをかきわけてなんとか
ぬけでるとまたすぐに
過密喫茶が恋しくなる
過密喫茶へようこそ
過密喫茶は君を待ってる
過密喫茶はこの国で唯一つの
喫茶店
あと20年経ったら民営化して
メニュウを3種類から5種類に
増やす予定