2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧
そんなことない切れる切れると 言いました お父さんは私に一切れか二切れ 持っていくだろうと言いました 私は三切れか四切れくれないの と言いました こたつでごろごろしてる間に お父さんはよもぎもちを四切れ 切り分け お母さんはきれいに丈を詰め ました …
お父さんお母さん お誕生日 おめでとうございます そういってお家を 訪ねてみると お父さんは お母さんがよもぎもちを こしらえたよと言いました 私がこたつで寝ている間に お母さんは 私の ズボンの丈をちくちくと針と 糸で直してくれました お父さんはまだ…
うわ きれいだな 、小粒の 雪が 風に乗って すばしこい 矢印みたいに 地面に 降り注いでやがる こっち側の雪は ななめ右 向こう側のは ななめ左に と思ったら もう止んだ、君たち、空の生んだ短詩 と思ったら また降ってきた ななめ45度で 西側に 風吹かせて…
君は嘗て 他人を必要と する程 孤独だった 事が あるだろうか 君は嘗て 他人が必要と する程 己に 固執しなかった 事が あるだろうか 従容と 他人に尽くした事が 僕は今日 台湾翡翠の夢を 見て それから 君の 事を 考えている 僕はいつも 汚い物 ばかり 触っ…
私は決して未来を夢見なかったので 今がほとんど架空の世界のようだ 白い壁と白い壁が出会った直角を見つめて 忘れてしまった歯医者の予約を思い出すと やがて行くことの決してない空港が目に浮かぶ 私は決して未来を夢見なかったので 人類の構築した虚構の…
小鳥 こっそり 柿の種つまんで 柿の種 柿になった
今日 風は強く吹かないことにした 冷たい冬でいることに少々飽いたらしい そうして雪を見守っていると 雪のひとひらひとひらは至って慎重に どこに舞い降りるべきか考えながら そのいくつかは何だかもう着地点を 決めかねて空に舞い戻りたいようにも 見えた…
夏 というもの 木々の恐ろしい緑 空の噛みつかんばかりの青に その凋落を含んでいる その光を浴びずにはいられないのは 奇妙に彩られた運命のうち 生きとし生きるものの 自覚してはならない 最も愚かしく 対処すべき 季節
暗闇の中で私が笑い出したら あなたはそれを狂気と呼ぶだろうか ここは風が強く吹いている ここは風が吹くところだ いくつもの箱を手に取り 決めあぐねてあなたは去って行った ここから人々はまだ色々なことを 始めようとしている、葉を摘んだり 沢で泳いだ…