本日の詩

詩なり詩なり

20110203 今夏だけど冬に書いた冬の詩ね、ごめん

今日 風は強く吹かないことにした

冷たい冬でいることに少々飽いたらしい

そうして雪を見守っていると

雪のひとひらひとひらは至って慎重に

どこに舞い降りるべきか考えながら

そのいくつかは何だかもう着地点を

決めかねて空に舞い戻りたいようにも

見えたけれど自らの重さと幾分かは周りの

動きにも気分を動かされて

逡巡の末に地面に散って行った

こうしてほとんどみんな消えてしまった

風は春のこと、桜のこと、日の長さについて

考えている、雪が消えてしまったが風は

そこに、ほら、そこだよ!!君のとなり!

そこに居てまだ雪のことを考えている

大丈夫僕忘れないよとコンクリートのかけらが

言った、撤去される前に作業員の

おじさんがくれた、手の中の

コンクリートのかけらがさ、駅から

ずっと歩いてきた私に小さな声で

どうやらこのちっぽけなコンクリートにも

いくつかの雪のかけらが舞いおりたらしい