本日の詩

詩なり詩なり

2012-01-01から1年間の記事一覧

20120703

月曜の憂鬱 この紙をルーズリーフと 呼んでいるものだから という単語が覚えられない この部分を cardio vascularと 呼んでいるものだから という単語が覚えられない goodとdogはほとんど 同じように見えるし 君の事を 考えているものだから 生きている猫と …

20130614

月に行ったことがありますか 私はあります 私は一度月に行ったことがあります 今ほど月旅行が盛んでなかった頃 そこでは 海は突然現れる そしてそれゆえ君は途方に暮れてしまうんです ばらまかれた光 と砂と風と水 の区別がつかなくなって 砂浜に座って 水の…

20120408

苺を炊いた清新な香りに 魂がよみがえる 一日の終わりが 曖昧な暮らしを送っていると この一日この一日が 二度と来ない一日であることを 忘れ果て 安直に 疲れ果て 浅い眠りに朽ち果てる 昨日まで 一昨日まで 先週まで 昨年まで 十年前まで 何かを考えようと…

201203-4

私はそれを食べて 明日あなた方に会うでしょう 私の魂の一部を さし上げて まだこの道は上り坂です(けど) (終)

201203-3

調子が狂うと言って さっと裁縫道具を片付け お母さんは立ち上がりました ほら もう行かなくていいの お父さんは促すと 私はまた 帰ってくるのです でもまだ大丈夫 私はお父さんとお母さんのくれた 四角い小さな箱に入った 栗ようかんと お母さんが野で摘ん…

201203-2

そんなことない切れる切れると 言いました お父さんは私に一切れか二切れ 持っていくだろうと言いました 私は三切れか四切れくれないの と言いました こたつでごろごろしてる間に お父さんはよもぎもちを四切れ 切り分け お母さんはきれいに丈を詰め ました …

201203

お父さんお母さん お誕生日 おめでとうございます そういってお家を 訪ねてみると お父さんは お母さんがよもぎもちを こしらえたよと言いました 私がこたつで寝ている間に お母さんは 私の ズボンの丈をちくちくと針と 糸で直してくれました お父さんはまだ…

20120313

うわ きれいだな 、小粒の 雪が 風に乗って すばしこい 矢印みたいに 地面に 降り注いでやがる こっち側の雪は ななめ右 向こう側のは ななめ左に と思ったら もう止んだ、君たち、空の生んだ短詩 と思ったら また降ってきた ななめ45度で 西側に 風吹かせて…

20120305君は

君は嘗て 他人を必要と する程 孤独だった 事が あるだろうか 君は嘗て 他人が必要と する程 己に 固執しなかった 事が あるだろうか 従容と 他人に尽くした事が 僕は今日 台湾翡翠の夢を 見て それから 君の 事を 考えている 僕はいつも 汚い物 ばかり 触っ…

20120305私は決して

私は決して未来を夢見なかったので 今がほとんど架空の世界のようだ 白い壁と白い壁が出会った直角を見つめて 忘れてしまった歯医者の予約を思い出すと やがて行くことの決してない空港が目に浮かぶ 私は決して未来を夢見なかったので 人類の構築した虚構の…

20120227 ちょっとしたオマージュ

小鳥 こっそり 柿の種つまんで 柿の種 柿になった

20110203 今夏だけど冬に書いた冬の詩ね、ごめん

今日 風は強く吹かないことにした 冷たい冬でいることに少々飽いたらしい そうして雪を見守っていると 雪のひとひらひとひらは至って慎重に どこに舞い降りるべきか考えながら そのいくつかは何だかもう着地点を 決めかねて空に舞い戻りたいようにも 見えた…

20120811

夏 というもの 木々の恐ろしい緑 空の噛みつかんばかりの青に その凋落を含んでいる その光を浴びずにはいられないのは 奇妙に彩られた運命のうち 生きとし生きるものの 自覚してはならない 最も愚かしく 対処すべき 季節

20111105

暗闇の中で私が笑い出したら あなたはそれを狂気と呼ぶだろうか ここは風が強く吹いている ここは風が吹くところだ いくつもの箱を手に取り 決めあぐねてあなたは去って行った ここから人々はまだ色々なことを 始めようとしている、葉を摘んだり 沢で泳いだ…

20120703

そ、 そ、 そうだな このところ見かける 省略は 脱落なのか 欠落なのか 考えてるとこ 他の 追随を 許さない 一代限りの

20120702-2

き、 き、 きみは この人の頭が おかしいって 言うけど 飛躍が 行き過ぎて き、 き、 きみが ついて来られない だけじゃないかな

20120702

あまり何度も 生きているものだから 何回 生きてるか 忘れちゃったの あまり何度も とらわれているものだから 何回 つかまったか 忘れちゃったの 紙切れと風の間に あるもの 失敗だけは続く それは不可算名詞だな

20120701

雨の日に太陽を 晴れの日に雨音を 恋しく思って 冬の日に梔子の薫り 春の日に 春の日に欲しくなるもの この白い壁に 書かれた幾つかの数式 肩甲骨に当てられた 唇の柔らかさなど 無いもの かつてあった(かもしれない)もの 率直なremark 屈託の無い嘘 曇りな…

20120515

に規定された白 曲げられた 数直線は飛翔する 空はいつだって 窓から入って来ようとする を規定する白 出かける理性、君を置き去りにする 今は狂気、 もうすぐ正気 に戻りますから、白という白は

20110902 台風12号

空を見ると 雲が 衝撃的な速さで 動いている 何だ 雲 やれば できる じゃないか それとも 雲 そんなに 風に 押されてるのかい 風も 今晩あたりは うちへ 寄るんだろ 朝には 行っちゃうんだろう 青天と それと少しの秋を 置き ※追記※ 二連あたり、既存の有名…

20110831

いかくん!ごめんね ありがとう 98円で売られて私に食われるとは 海に泳いでいるときには 思いもよらなかったろう いかくん!! 君のおかげで今日私は元気だ

20110816

君 知ってるかい (知ってるとも知ってるとも) 誰がただこの世の 美しいものたちを そうでないものたちを 書きよせ 書きまとめ 書きとめるためだけに 生きてるかを (知ってるさ知ってるさ) 君はただはばたく その想像力で 書きまとめられた言葉たちを ほら、…

20110815-2(完)

その後に来る 更に重い不自由にさえも 彼女は飽いてしまいました 幸福は常に発見されなければ ならないので あの人を飽きさせないのです 失くしやすいイアリングの片方 あの人にとって幸福は 偶発的な事故 最も弱っている時に 幸福な思い出に堪えかねて 未来…

20110815-1

あの人は幸せにしかなれないでしょう あの人はそういう人です あの人は道すがら 祭に出た屋台の味を かわるがわる食べ比べるみたいに 色々な不幸を味わってきました まるでそうしないと自分の人生に 必要なエネルギーが手に入らないように しかしどんな不幸…

20120319

風よりも 自由でありたい 沈丁花の強く薫る季節が また巡って来た 夜だった 自転車に乗っていた 小道の角を曲がって またもう一つの未来に 初めて 空気の重さを感じた 風のように と思っていた 自由でありたい 風よりもなお 新たな約束の日に

水色の人 20110807-2

あの葡萄からは水色の匂いが しました。水色と言っても 空を薄めたような水色じゃなくて 緑色がうっかり変わってしまったような ちょっと狂ったような」 野ねずみはひげをひくひくさせて 野うさぎはつられてひげをひくひくさせて 「そりゃ、君、そういう色の…

水色の人 20110807-1

「通り過ぎた後 葡萄の匂いがしました あの人からは葡萄の匂いがしました」 野ねずみがそう言うと 野うさぎは肩をすくめて 「そりゃおいしそうな匂いだね」 野うさぎがそう言うと 野ねずみは鼻をひくひくさせて 「そういう葡萄じゃないんです」 「じゃどうい…

緑 20110526-3(完)

あって しかも おいしい おいしい おいしい毒薬があるから 君喜んで と言いますと 梯子はちょっとひるんで まぁ そんなら おいらに のぼってみなと言いました 私はそれから梯子に のぼりだし のぼって のぼって のぼって もうどのくらいのぼっているか (完)

緑 20110526-3(完)

あって しかも おいしい おいしい おいしい毒薬があるから 君喜んで と言いますと 梯子はちょっとひるんで まぁ そんなら おいらに のぼってみなと言いました 私はそれから梯子に のぼりだし のぼって のぼって のぼって もうどのくらいのぼっているか

緑 20110526-2

おうちがあるんだ 脚立のお母さんと 縄ばしごのお父さんと はしご車のなかで くるくる回るんだぜ そこで私ははしごに言いました 君んちにはなにか おいしい おいしい おいしい 物はあるのかい 私んちには おいしい おいしいせき止めと おいしい おいしい お…