本日の詩

詩なり詩なり

090705/23:51/ari-nomi

煉瓦の塀に指先を当てながら

柿の木坂をのぼりきると

柿の木が一本夕日を背に

立っている幹も枝もいつも

いい具合に曲がっていて

これを見るためにここに来ると

いつだって夕日を背にしている


生まれたときのことはあいにく

覚えていませんいやそれどころか

おとといとさきおとといの区別も

できやせぬあすあさってはともかく

しあさってやのあさっての区別も

できはせぬきのうきょうはともかく


だから柿の木坂をときどきのぼって

勝手に夕日坂と呼んでいる

青い実が熟さないうちに落ちて

道にいくつも落ちてきたなく

つぶれているのを見ることができる 

昨日の夜にここを通るときには気をつけなくちゃ