本日の詩

詩なり詩なり

20140917

町外れに砂漠がある
何もない砂以外には
だから誰も来ない
なのに店があって
さびた看板がかかって
いる薄暗い店では何を
出す気があるのか
知らないきっと客など期待
していないし私もなぜ
そこにたどり着いたのか
わからない、いや他に
休めそうなところが無くて
途方にくれてしまったのだ
この砂漠に果てがあるのか
わからないものだから
こんなところに痩せた熊が
色の褪せた毛をまとって
鎖につながれている
誰にも飼われていないのに
なぜ鎖につながれているのか
わからない、こんなにも
痩せているのはずいぶん長く
食べていないからで
気の毒でたまらないから
あの店で頼むといつ炊いたのか
わからないばらばらした白い
飯をひと盛り出してきた私は
長く歩いて熊のところに戻ったが
熊はもうすっかり飢えて弱っていた
周りには人も家も緑もない
この熊はなぜ鎖につながれて
こんなところにいるのか全然
わからなかった私はここに
戻ってこなければならないと思ったが
あと一週間しなければここには
来られない気がした、ここに結局
戻ってくると知るのに一週間は
かかる気がしたのだ、それが愚かさの
時間というものだ、だがそれまで
生きているのだろうか、この可哀想な
熊は?
あの店が一番近いと言えば近いが、
こいつの面倒など見ないだろう
もし世話してやるのならもっと…
それとも少しはエサをやっている
のだろうか?生かすために?
飢えさせるために?
私にはわからなかった