本日の詩

詩なり詩なり

20140902

今日ぼくを松葉杖が訪ねて来て
どうもその節はお世話になりました
と頭をさげたぼくはそんなこと全然
予想していなかったしあんまり頭が
ぼさぼさだったし、昨日風呂に入らず
ソファで寝てしまったまま、起き抜けで
冷蔵庫には玉子しか入ってない
まさか松葉杖が訪ねて来るなんて
自分の人生に起こるとは思ってなかった
何て言っていいか全然思いつかない
ぼくは左足が(今やないのに)そこを
さわりたいように手を伸ばした
格好になってまあ言葉もなく
立ち尽くしてこれが大人の態度かお前
ひどすぎると思ってると松葉杖は
ぼくの義肢をほんのちらっと
思慮深い大人の分別ある眼差しで
ちらっと見てさ、これつまらないも
のですが、と言って、茶色の紙袋
押し付けるからぼくは受けとった
台風の中、行っちゃったよ、くる
くる回りながら、ぼくは急いで
紙袋見たら、松ぼっくりいっぱい
入った、なんだよこれダジャレか
と腹が立って壁に投げつけたら
全然なんでかわかんないけど
涙出てきた、悲しいとかじゃない
んだ、ただ出てきた、それで急いで
ぼくは目玉焼き作って食べた外の風
の音すごかった