本日の詩

詩なり詩なり

090410/23:29(,じゃ、そういうことで)

カミツレの足並みを真似て
すこやかな夜の哀しみの中で
二進法は踊る

芝生の猫の通りみち
彼は遮って昼寝する
吹き渡る風を感じるため

狭いアパートの部屋の中で
彼の母親はかつて一人の女だった
明滅する十六進法に向かった

彼のアラビア数字は彼の
不在を、非在を、無在を要求する
眠れない夜の哀しみの中で
カミツレ精油を搾り出す
不可解な薫りから
0と1とがまた踊り始める

昼寝しすぎた彼は
当惑して走り出す
交差点の信号の光は
すでに夜を示している

寝過ごした足取りは
人々を怖がらせ
やがて人々は
0と1の間に埋もれている
彼の母親を探し出すだろう

彼自身は見つからなかった
あるいは彼が
わたしたちを見失ってしまったのだ