2014-01-01から1年間の記事一覧
毎夜 夢を見て 毎朝 夢から生還してる 今夜は 月をむさぼりすぎて 空はまっくら 今日も生きて 夢に備えた 明日の朝も 薄っ暗い薄っぺらい 覚醒まで 生きてる予定
ぼくらみんな八月の子ども 夏の終わりに大人になる どうかぼくらを殺さないで ぼくらは夢を懐胎したさなぎ
朝、夏、庭、 バッタが寝坊して今ごろ 脱皮 人に見つかる 朝めし後の残酷な気分 もう少しで脚が抜ける まだ 動けない まだ動けないんだもん 朝めしに納豆、みそ汁、 じゃこご飯を食った 人1が来たって すぐは無理今は無理 そこで草をひっこぬき ちょっと手伝…
九時にみたのはくじら 四時にみたのはよじら 一時にみたのはいちじら 七時にみたのは知事ら 五時にみたのはゴジラ 二時にみたのは虹だ 八時にみたのは都知事ら 三時にみたのは参事ら 九時にみたのはなめくじ 十二時にみたのは四六時中みたい
ぜんぜん道がなかったころ ひとはどこを旅してたんだろ 平らなところ? 日のあたるところ? 木の近く? 道ができるずっと前 ずっと前 道というものがなかったころ
あじさいあおあおあまがえる いちじくいちいちはをひろげ うめのきうめのみうれてゆく なつのひなつのきなつのにわ なつのこなつのみなつのひと
こっから10歩ばかり南に 行くとだ、 ニャー木と呼ばれる 木があってだ、 いや、苗木じゃない、 ニャー木だ、 そこに10匹ばかりの 猫が子猫だが、 鈴なりになっている というんだが、 一歩もここから 出られんぬのだしかも 南がわからない そこでだ、 ニャー…
石は石 踊りは踊り 魅惑は魅惑 雨は雨 果ては果て 疑惑は疑惑 風は風 扇は扇 迷惑は迷惑 計画は明確 隘路は暴露 結論は虚ろ、瞳は骸 露は露 蠱惑はあった 北は北
長い羊と短い命 どちらがいいか聞かれたら くさい牧場と緑のひのき どちらがいいと聞かれたら もしも、しもしも、しもしも、 もしも、朝めし、目指して 目覚まし、名指し、かんざし かざして、きざした串刺し、 サンザシさんざん 山茶花にゃむにゃむ あとひ…
こうもりが月夜に入ってきて 屋根裏でかさかさ音を立てる さくらんぼの中にも入って 闇夜の飛行では落ちていく そこで目が覚めたとしたら まだ夢を見ていた、死んだ かもしれないあなたの恋人が外 から入って来られないように 壁を塗るときに穴をふさいで も…
満員電車に乗っているのは みんな生まれた人ばかり 吊り革につかまってみんな それぞれの墓場に行くんだ 生まれなかった人たちは どこに行っちゃったんだろう 空員電車で吊り革はぶらぶら 居眠りの誰かの見る夢に出演
すでに時雨れて 空は時雨れて 君の心も時雨れてゆくか 里は時雨れて 山も時雨れて 僕の心も時雨れてゆくか 花は時雨れて まさに時雨れて 空(から)の心も時雨れてゆくか 春すでに春にはすでに
今朝のニュース 四国の沖合で ひげの先端が光る 深海魚が100匹 見つけたって 暗い海の底の方から 上がって 全員 死んじゃって 黒くって暗くって 尻尾に行くほど ほっそりする 裸体をすっかり 陸にさらしちゃったけど 見つけたんだって ひげの先端の光る 深海…
「やっぱり庭には犬がいた方がいい」なんて ことくらいしか思いつかないのだぜんぜんだんぜん。 茶色の猫が、早春というより冬の終わり頃の ある昼下がり、彼らの庭の金木犀の木の下で 死んでるように見えないけど、でも全然動かなくなっていた。うっかりそ…
とうとう今日、金木犀の木の下で、春も盛りになる前に死んだ、彼女は言う 「どうしよう」全くもう本当に厄介な時に彼らは まだ生きてるのだ、あの死んだ猫の100倍長く生きて、もはや、他人の家の庭の 小さい花びらがこの上なくかぐわしくかおる 金木犀の木の…
彼らは生きた猫だって死んだ猫だって できるだけ関わらず生きて来たのに 生きた猫は絶えず庭をうろついていて 犬走りをたたっと走りぬけていったし (これじゃまるで猫走りだ) 今度は今度でどこの馬の骨とも知れない猫が死骸となって、少なくとも全然 動かな…
今日、彼らの庭で一匹の猫が死んだ 勿論、そんなことはこれまでなかった 彼女は家に入って来るなり言ったのだ 「猫が死んでる」 そこで彼はこう聞くしかなかった 「どこで」 そりゃないだろうさこの期に及んでそんな質問 しかし彼女はこう答えるしかなかった…
魔神の教えてくれた 口笛だれにも聞かれないように こっそりこっそり吹いてた この口笛が風吹かすんだってってさ この口笛が星なびかすんだってってさ そんなん信じなかったけどさ 夜に窓ぎわで吹いてったら星が見てた 寝たり起きたり 灰色のパーカ、フード…