本日の詩

詩なり詩なり

20140323-2

彼らは生きた猫だって死んだ猫だって
できるだけ関わらず生きて来たのに
生きた猫は絶えず庭をうろついていて
犬走りをたたっと走りぬけていったし
(これじゃまるで猫走りだ)
今度は今度でどこの馬の骨とも知れない猫が死骸となって、少なくとも全然
動かなくなって彼らの庭に誰憚ることなくのびのびと横たわっているのだからもう
彼としてはこう聞くしかなかった
「どこで」
これで桜や梅や梔子なんかじゃなかった
金木犀の下で」
きっとあの花の香りを思い出してたか、
たまたまうっかりそこで息絶えちゃったんだ
死体を誰かが持ち込んだんじゃなければね
「どんな奴」
「茶色の」
ああ、それだ、庭をうろちょろしてた奴、あいつ
(続く)