本日の詩

詩なり詩なり

20130323-4

「やっぱり庭には犬がいた方がいい」なんて
ことくらいしか思いつかないのだぜんぜんだんぜん。
茶色の猫が、早春というより冬の終わり頃の
ある昼下がり、彼らの庭の金木犀の木の下で
死んでるように見えないけど、でも全然動かなくなっていた。うっかりそうなったのか
やむをえずたどりついたのか、はたまたあえて選んだ場所なのか、今となっては
聞きようもないのが、生きてたって語ったりしないが、ずっと釈然としないだろう、他の動物が、もっと大きな動物が、これを真似ないことをあれから彼らは
願うばかりだ、たとえば絶望したトナカイや、金木犀の香りにうっとりした豆腐売り、笛吹きのほらふきの背の高い完全
迷子など、
世の中、なぜか彼らの庭で死にそうな生き物だらけで。
花咲く彼らの庭ばかりで。