(昨日の続き)
それがちょっと不思議になって
「だって、あなたはみなを診察なさらないのに」
と言うと
緑のかえるはまた灯火の向こうの窓にちらっと
目をやって、そこで、私は窓に雨のしずくが
付きはじめたことに気づいたのですが、
緑のかえるはまた私を見つめて
「誰もみな死ぬるのです
と言うのです
私は雨がとうとう降ってきて、この医者も
医者ではあるけれど、かえるでもあるのだから
雨がとうとう降ってきて、うれしいにちがいないと
思うと、私はまたさらにおかしくなって、
おかしなことに、少しうれしそうな声をして
「じゃ、あなたは何のためにこんなところで
(続く)