本日の詩

詩なり詩なり

20110208-4

(続き)
 こんなことをしているのです」
 と聞きました
 緑のかえるは聴診器を胸から下げたまま
 先がぷっくりとふくらんだ指をぴたりと
膝にあてて、
 黒い目はさらに黒くなってきました
 への字の口はさらにへの字になってきました
 私はとうとう笑い出し、
 緑のかえるは聴診器を胸から下げたまま
 少し笑いたそうに見えました
 「先生、もう大丈夫です。すっかり気分が良くなりました」 
 私がそう言うと、 緑のかえるは聴診器やら色々なものを
 全て黒いかばんにすっかりしまい込んで灯火を消すと
 「ではまた明日」
(続く)