本日の詩

詩なり詩なり

20100908

 台風九号が来ていて
 僕らの夢はかき乱されている
 君が絶望的な目をして
 他人の不貞を訴える時
 僕は君の頬のにきびを数えている
 城の側では異様にのどかで
 僕らの両親は手に手に
 プラスチックのケースを持って並び
 できたての水ようかんを買おうとしている
 外では干されたピンクのシャツが
 雨に打たれて---
 台風はその雨で地面をとどろかせ
 その風でどれだけのものをなぎたおせるか
 挑んでいるものだから
 ---大地にピンクが流れ出し
 僕の愛と言えば
 双頭のカモメとなって
 海を渡るだろう
 台風が過ぎれば
 お皿を受けつけなかったキカイも
 'No Disc'の表示をあきらめて
 君は新しい人を見つけるだろう
 大地はピンク色の花を咲かせ
 乾いた白いTシャツを
 誰かが着るだろう
 僕の愛と言えば
 双頭のカモメとなって
 飛ぶだろう、ただ、どこまで行けるかを
 確かめるために、ただ、どこまで行けるかを
 確かめるために