台風九号が来ていて
僕らの夢はかき乱されている
君が絶望的な目をして
他人の不貞を訴える時
僕は君の頬のにきびを数えている
城の側では異様にのどかで
僕らの両親は手に手に
プラスチックのケースを持って並び
できたての水ようかんを買おうとしている
外では干されたピンクのシャツが
雨に打たれて---
台風はその雨で地面をとどろかせ
その風でどれだけのものをなぎたおせるか
挑んでいるものだから
---大地にピンクが流れ出し
僕の愛と言えば
双頭のカモメとなって
海を渡るだろう
台風が過ぎれば
お皿を受けつけなかったキカイも
'No Disc'の表示をあきらめて
君は新しい人を見つけるだろう
大地はピンク色の花を咲かせ
乾いた白いTシャツを
誰かが着るだろう
僕の愛と言えば
双頭のカモメとなって
飛ぶだろう、ただ、どこまで行けるかを
確かめるために、ただ、どこまで行けるかを
確かめるために