目まいと吐き気とに耐えながら
闇の中を走っていくうちに
21時間と3分が自分の中を
通り過ぎていったと気づく
24時間がこの身のうちを
背中から私を地面に腹ばいに
押し倒さんばかりにして
面のように、時間よ、君が
そんな風に一枚の板のように
なるとは知らなかったが、段々に
私を一瞬一瞬によって
切り刻みながら
通り過ぎてゆくのも時間の問題だ
だから私は
前のめりにならずにはいられない
前のめりになるのは
冬が近づいているからだとか
帰路を急いでいるからだとか
そんな人間的な理由ではなく
ましてや私が
人間だからというわけではない
ましてや私が
人間でないからというのは
目まいをおこす理由にもなるのか、ならないのか