しまった、
こんな道を
取るんじゃなかった
そう言うと
すれちがった
クラウンは
にやりと笑って
姿を消した
また闇と静寂
急坂にひとり残された
鴉の羽音が空耳だ
夜が明ければ
坂の終わりが見える
おまえがそこに
いるかはわからない
あいつの笑顔に
この不味い闇
わかっていたが
この厄介な角度
わかっていたが
この面倒な戯画
この煩雑な模索