不十分な緑を添えて
抵抗器Ⅰと抵抗器Ⅱの間に
金魚の尾びれがひらひらしている
水のない世界は
あまりにも乾いていて
鱗はまるきり火傷した
太陽はこのうえなく白く
光って目はもう
つぶれてしまった
ぐみの実は不十分に緑で
熟さないうちに気晴らしに
摘まれてばかりいる
卵焼きと北風のように
不在とコンデンサーを
比べるのは間違っています
さえない顔をしてあたしは言う
それはいわゆる独り言という
熟さないぐみの実のように
あたしの皮膚はざらざらしている