本日の詩

詩なり詩なり

22:55

てんとう虫
春の光を受けて
翼を開いて
飛んで来い
飛んできて
この手のひらに
とまっておくれ

てんとう虫
てんとう虫
春の日は
光のしずくを
まきちらして
アスファルト
線路沿いの柵も
どこもかしこも
きらめいた

おまえは
この手にとまって
あともう少しの
喜びをおくれ
おまえの背中の
ちいさな斑点に
やっぱり春の光が
まきちらされているのを
見せておくれ

てんとう虫
しばらくとまって
またどこかに
飛んで行っておくれ
あまりにも精密な営みで
みんなを驚かせて
それから若い草の上で
休んでおくれ

てんとう虫
てんとう虫
来年の春また会おう
一年がどんなふうに巡るか
こわくてたまらないんだ
だから
約束しておくれ
またあふれる光の中で
この手に止まって
小さな小さなその足で
かすかに短い滞在を
わたしに知らせてくれると