本日の詩

詩なり詩なり

20150120

眠る前に少しだけ思い出してみたい
過去について
きっと今冬の海に太陽は綱刃の白さで
輝く
果たされなかった約束について
考えてみたい
乗られなかった自転車
投げられなかったボール
手渡されることのなかった
贈り物について
感じてみたり嗅いでみたりしては
いけないだろうか
訪れられなかった海岸の
砂を絹布のようにまとって
燃やされなかった焚き火の
周りで
踊られなかった踊りについて
夢を見てはいけないだろうか
また明日には
何事もなかったように
適度に距離を保って
君とも彼とも彼らとも
行なわれた過去の残滓とも

すでに記憶が現在に追いつかず
夜の夢はかすれた羽根を見ていた