本日の詩

詩なり詩なり

20150111

ここはひとつ
こんな感じで
どうでしょう

たぬきはこそっと
ちかづくと
(それはもはや
きつねなみの
こそっと加減で
あったのだが
やつはやっぱり
たぬきであった)

背後から不意打ちを
しかける調子で
ささやきかけた

ラフな感じで
流して行きましょう
楽な感じでね、ね、
気楽に気楽に

ささやき続ける
たぬきの目は
ちっとも気楽な
感じでなく、
ね、と言ったとき
私の背中の毛は
逆立ち
心臓は早鐘のように打ち
(いやかように陳腐な
比喩で恐れいるが)
また打ち
腹あしくぴりぴりとした

このときまだ何もかも
固まっておらず
しかし私は諾なう
ほかはないと思われた

たぬきはますます
気味の悪い調子で
決して悪いようには
しませんから
そう言って
上目遣いにしきりに
しきりに私の顔色を
うかがい、私はこの
気味の悪さから
逃れたくて
いろいろといま
ここで詳らかに
したくないことを
もろもろ話しあった

私はうさぎ
あれから逃げて
逃げてまたつかまって
また逃げている最中