小雪たち、風にのって
はげしく舞い踊り
誰の懐にもななめから飛び込もうと
目まぐるしく景色を変えていて
道行く人は
ほとんど視界をうばわれながら
師走の町を急いでいる
暖かな部屋のなかでこの
病める人は奥歯で後悔を噛み砕く
苦い思い出があふれでて
じんわりと胸にしみ
腹へと落ちこんでいく
また
こいつも腸から下って
俺の死より前に暗渠から
下水処理施設を経て
整えられた教訓になり
口のでかい魚たちに
餌とごちゃまぜにされて
飲み込まれるだろうが
消化はされず吐き出されて
ぐるぐると世界を巡り
いつかこんな雪の日のふぶきの
欠片にいりまじり
狂おしいダンスを踊るとしたら