本日の詩

詩なり詩なり

秋たぬきマスカット風味

紙風味の巨大つぶつぶが
黎明に平明に蒙昧に芳しく

この世の書きなぐる鬼を通って

まだ無下に佇んでいるのです

誠心誠意春の眠りに溺れて
徹頭徹尾夏の目覚めに焦がれて

つぶつぶ煮えたぎるのです
地獄の釜に完膚なきまで
溶かされるのです

今はもう秋ましたぬき
つぶらな瞳によこしまな
焔を水のごとく仄かに湛えて

まるっきり斜めの
極限で途方もない夕焼けを試しては
もぐもぐ栗きんとんを貪りくたびれ果てて