本日の詩

詩なり詩なり

20180712

軽みを帯びた時間の
彫琢の内々のひだひだに
ひそみ隠れてその長さを
やり過ごそうと思っていたんだ
もう精一杯やったからね

夏の闇の小指から
ねじきり離れた元気な
小闇がブンブン黒き
飛行体となって、すると
カナブン、君は去年のカナブンとも
一昨年のカナブンとも
子どものときのカナブンとも
違うに違いないけれど

やはり丸くてきらきらひかる
まもなく床にボトンと落ちて
指でつかんで優しく
逃してやろうと思ったら
もう死んでいた

そんなところ
感傷を許さない夏の使いを
今年も全うした
天晴という語を君に
捧げようではないか
そして熱を帯びる皮膚は
喪失の痛みに耐えている
長く続く