いやいやまったくこのこたちったら
このこのこねずみ白ねずみったら
黒ねずみったら
あんたたちこそこそこそ
近づく犬に狐に油揚げに鳶に
鮫に食べられちゃったの脳みそを
そんなふうだといまに人に
さらわれて窮屈な檻に閉じ込められて
おかしな薬を打たれてチュッと
いう間に享年ねずみ年黒ねずみでも白ねずみでもあいつらそんなの
おかまいなしだよ人でなしは人なんだ！
父さんは秋の収穫祭で町はずれの
ハサミ通りの毛ばさみ神社にお出かけですけどもうすぐ帰ってくるからね
そうこうするうち父さんはとんとんと
階段のぼって白ねずみ黒ねずみ母さんねずみの
おうちの扉をあけるから
こねずみたちは前まわりしたり
横まわりしたり後ろまわりしたり
みんなで折り重なったり寄り重なったり
(つづく)
