もし世界が白と黒とでできていて
思念の延長線上に歴代カリフラワー達が
お辞儀しているとしたらやはりレモンの
一部をこっちに持って来なかったのだろう
途中で酸味を水晶の歯が
かじり落とさなかったかわからない
私はレモンの一部を忘れてきてしまった
だから今夜はレモンティーが飲めない
柔らかくなってきた世界は牧場から
どんどん柔らかくなってサモンとサモナとサモニアの
知る腐った週末へと近づいてゆくのだろう
運転するメロンの中は空洞だ、そして私は
レモンを忘れてきてしまったのが実に辛いんだ
(完)