本日の詩

詩なり詩なり

20200606

世界が優しく破滅していくなら
桜桃を如月の水盆に
充たして
ゆっくり正気を手放していこう
誰にも気づかれないやり方で
カピバラの目付きで

世界が優しく破滅していくなら
内腿に刻んだ音符を
水無月の気団に転送して
ここのパッサカリア
空の魚より美味
わずかな狂気を予定していこう

世界は破滅を練習している
卒業試験までには完璧に仕上げてくる

こちらも手のひらに
鱗を生やし
踵で雲をあやつって昼までには快晴する