本日の詩

詩なり詩なり

090604/23:57/ari-nomi

屋根裏の小窓を開けて

低い声で君の名を呼んだら

君は古い柘榴の木のそばで

白い猫の背を撫でてる


屋根裏の小部屋に行って

古いベッドにもたれて絵本を

読んだら君は湖のそばまで

散歩に行くつもりだと言う


屋根裏の階段を上り

くすんだドアノブを回すと

うっかりと二十五年も閉め忘れた小窓

夕闇が遊ぶ部屋には白い鏡

ちぎれた首輪


皺だらけの顔が映る前には

誰もいない、部屋は無人に慣れて