五月の光は
四月の金剛石の光のように
あまねく
事物にふりそそいで
24カラットの光のつぶたちで
茫洋とした覚醒を
促したりはしないけれど
五月の光は
だんだん
事物にしみていって
春の色を
ひらたくすいこむと
それぞれの
あたらしい色を
はきだして
帰ってゆく
こうしてみんな
五月には
なにもかわらない
風景を目にしても
あたらしい世界を
目にしている
こうしてみんな
あたらしい色を
もらうのだから
まえとおなじ
まなざしにも
ほら
やどる
あたらしい思い