本日の詩

詩なり詩なり

090331/14:33

これで二度目ってわけだ
彼女が大きな花束をもらうのは

一度目は一人の寂しがりの男から

うっとりするような抱き方をする
眩しい砂漠のような

あの薔薇は枯れてからが美しかった


二度目は数人の健全な人々から

彼らを生ましめた堅実な風土に
悪酔いして遁走するときを
彼らはうまく捕まえてしまった
羊のような若人は
彼女にカーネーションとユリとバラとカスミソウと
名前のよくわからない小花をまとめて差し出したわけだ
石を投げる代わりに

そして彼女は考えたわけだ
涙や感謝の言葉を引き換えに与える代わりに
 
 切花はいつだって素晴らしい
 動物園の動物のように 
 水槽の熱帯魚のように
 人々の一瞬の欲求を満たすために
 閉じ込められた命を観るというのは
 それは世紀末に壊れた鏡だ
 自分が何かを忘れていても
 鮮明に思い出させてくれる


彼らはいつか成熟し
彼女に投げるだろう
侮辱や失望や無関心や
名前のよくわからない冷淡な感情を差し出すだろう
石を投げる代わりに

男がいつか愛の言葉の代わりに
優しい拒絶を彼女に差し出したように